業界の指標の改革について。

伝統工芸の業界には、勘や経験といった形で曖昧に受け継がれてきたものが多くあります。私たちはこれらを測定し、数値化することで客観的な基準に改めてきました。そのことは、金沢箔を伝統工芸の業界以外でも使っていただけるきっかけにもなりました。

 

経験と勘だけに頼らず、指標を明確化。

一般に、伝統工芸の世界は職人の勘と経験がものをいう世界です。厳しい上下関係などもあり、非合理とわかっていても慣習的に続いていることが少なくありませんでした。また、熟練の職人による手わざが中心のため、製法や配合率なども、それぞれの感覚に頼った曖昧なものになっていました。箔一は、こうした伝統産業のあり方を改革するために、指標の明確化に取り組んできました。

様々な業界の企業様に認められるために。

金沢箔を広い業界で使ってもらうために、誰もがわかりやすい規準を作ってきました。金沢箔の世界には五毛色、四合色などという独自の呼び名があり、わかりにくいうえに職人によっても配合率のばらつきもありました。箔一では、これらの配合率を計測し、明確な基準として整理をしていきました。また、表記を国際標準であるカラットに改めるなど、一般にわかりやすいものへと変革してきました。

国際的な基準であるISOを取得。

業界規準の明確化は、金沢箔の品質の安定と向上に大きく寄与しました。その品質の良さを維持し広く認めてもらうためには、客観的な基準が必要です。当社は、『伝統産業の枠にとらわれない』を理念に2002年(平成14年)に営業・開発・生産部門におけるISO9001(品質マネジメントシステムの国際規格)を取得しました。2010年(平成22年)8月には、生産部門に特化したISO9001:2008の認証を得ました。その後、ISO9001の精神のもと、お客様にご満足いただける製品づくりに全社を挙げて取り組んだ17年間以上の運用実績と成果を踏まえISO9001自己適合宣言をしました。箔一では、伝統の職人技を大切にしながらも、現代の製造業に求められる品質基準を満たすものづくりを行っています。

大手企業のとのコラボレーションも実現。

品質向上を手掛けてきた大きな成果が、トヨタ自動車様と共に手掛けた「LEXUS」のプロジェクトでした。これは同ブランドのフラッグシップでもあるLSの内装にプラチナ箔をあしらうという試みでした。自動車は極めて精密な均一性が求められますが、金沢箔は手作りのため一枚ごとに異なります。こうした、水と油ともいえる性質の異なるものを両立させるため、職人たちとデザイナーが力を尽くしたプロジェクトでした。詳細については、関連ページを参照ください。

【関連ページ】
LEXUSとの取り組みについて。

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