金箔化粧品専門店 KINKA

茶屋街の風情にふさわしい外観に生まれ変わった。金箔コスメの専門店。

金箔化粧品専門店 KINKA/一般住宅より茶屋建築の復元

思い出の詰まった住まいを、大切に受け継いで作った店。

ここには、ご高齢の女性が、お一人で暮らしていました。
建物はずいぶん老朽化し、傾きもひどく、ボールを置くとすぐに転がってしまうほどでした。時代を経た建物の中には、現代の基準で見ると、驚くほど基礎が弱いものが少なくありません。特に、ここは角地です。ひがし茶屋街の建物は、すべてつながっており、互いに支えあう構造になっています。角にある建物には、常に一方からの圧力があり、もう一方には支えになるような建物もないため、傾きやすいのです。
現状を調べると、倒壊の危険もありました。構造の補強は急務でした。
まず、速やかに改修工事に入るために、いまお住いの女性のために、新しい住まいを確保することが必要でした。彼女はこの地域に長く住まわれ、友人も多くいます。そうしたことを考えれば、見知らぬ土地に移るわけにもいきません。近隣で、高齢女性が一人でも安心して暮らせる物件をさがし、ご紹介しました。また、引っ越しのお手伝いもしました。耐用年数を超えつつある建物とはいえ、彼女にとっては、たくさんの思い出が詰まったお住まいです。お仏壇など、大切にしていたものをしっかりとまとめ、新しい住居へと運びました。

彼女が新しい生活を始めたのを見届けると、すぐに、工事を始めました。実はこの時、まだ新しいお店の構想が固まっていませんでした。ただし、構造の補強は急がなければなりません。建物の傾きを修繕していくのと同時に、外観にも手を加え、周囲に合わせた弁柄塗りとしました。この物件は、2020年に金箔化粧品専門店「KINKA」としてオープンしました。物件の取得からオープンまで、結局2年ほどを費やしたことになります。
基礎がゆがみ、建物全体が傾いていたため早急に修繕の必要がありました。
美しい弁柄に塗られた外観。茶屋街全体の景観の向上に役立っています