伝統産業のイメージを変えた、体感型ミュージアム。

五感の全てを通じて、伝統工芸に触れる施設。

本店の箔巧館は、2018年の4月にリニューアルオープンしました。この時、五感の全てで金沢箔の魅力を楽しめる施設へと進化しました。迫力あるプロジェクションマッピングや、デジタルアートの仕掛けなど、新しい試みにもチャレンジをしています。この箔巧館のリニューアルについて、ご紹介をします。
 

目次

伝統産業のイメージを変える施設。
お子様や、外国からのゲストも楽しめるように。
伝統の技術を、最新のデジタル技術で表現する。
わかりやすいことと、本物であることは両立する。
高質な金箔工芸品を揃えた、創造工芸ギャラリー。
研修旅行や修学旅行にも、対応できる施設。


伝統産業のイメージを変える施設。

伝統産業と聞いたとき、どのようなイメージを持つでしょうか。小さな工房、使い古された道具、気難しそうな職人さんたちが黙々と作業をする様子。高尚で難しく、わかる人だけわかればよいといった世界。そのような印象を抱く人も多いと思います。伝統を重んじる世界は、どうしても保守的になりがちです。私たちはこうしたものを変えたいと思いました。もっとわかりやすくて楽しい伝統工芸があってもよい。知識がなくても直観的に理解でき、そのうえで、本物の伝統の技法に触れることができれば、関心を持つ人はもっと増えるでしょう。そうした想いを形にしたのが、『箔巧館』のリニューアルでした。


 


お子様や、外国からのゲストも楽しめるように。

『箔巧館』で特に意識したのは、お子様や外国からのゲストです。多くの伝統工芸は、予備知識と文脈で語られる「目利き」の世界です。ですが、子供たちや外国の方には、そういったことが通用しません。子供たちは、鋭い感性で、直観的に物事を判断するでしょう。また外国からのゲストに、日本人らしい以心伝心で理解してもらうこともできません。だからこそ、こういった方々が楽しめるものであれば、幅広い人に受け入れらえれると考えたのです。

 


伝統の技術を、最新のデジタル技術で表現する。

『箔巧館』をリニューアルして、想像以上に多くのお客様にお越しいただいています。地下のミュージアムには、デジタル技術を用いた仕掛けを多数用意しました。迫力あるプロジェクションマッピングで、加賀藩の武家文化を表現。また水墨画で描かれた箔打ち職人がアニメーションで動き回ったり、加賀藩藩祖前田利家公の甲冑をバーチャルの世界で着ることもできます。こうした仕掛けによって人々を引き込むだけでなく、伝統のイメージと対極にあるデジタル技術をあえて使うことで、革新的なメッセージを感じていただけるようになっています。


わかりやすいことと、本物であることは両立する。

こうした、わかりやすく楽しい展示を行いながらも、本物にこだわっています。この地下のミュージアムでは、箔打ち職人が箔を打ち、お客様の目の前で箔移しも行っています。また、金沢箔の歴史や製法についてのビデオでは7か国語の対応をしているほか、石川県の工芸品についてのご紹介もしています。こうした展示を通じ、ここで初めて金沢箔に触れた方が、その美しさに魅せられて、工芸品をお求めになるケースも増えています。




高質な金箔工芸品を揃えた、創造工芸ギャラリー。

『箔巧館』の2階には、金沢箔工芸の最高峰ともいえる作品を並べた創造工芸ギャラリーを設けました。ここには、歴史的な名画を復元した金屏風なども並んでいます。これらは、当社の作家がすべて肉筆で描いたものです。過去の偉大な作家は、現代の技術でも再現できないほどの高度な技術をもっていました。こうした古典の研究を通じ、一筆ごとに作家が込めた想いを感じ取りながら、時空を超えて対話を重ねるようにして作品を生み出しています。そして、こうして得られた研究成果は、現代的な作品作りにも結び付けています。私たちは、これらを「創造工芸」と名付けて提案をしています。


研修旅行や修学旅行にも、対応できる施設。

『箔巧館』は、このほかにも箔貼り体験、金箔工芸品や化粧品などが並ぶショップ、カフェなどもあり、金沢箔の全てを体感できる施設となっています。楽しいだけでなく、学びのある施設として、修学旅行や研修旅行にも人気となっています。またテーマ設定も可能です。歴史的・文化的な背景や、地場産業としての切り口、さらには科学的な説明など、多彩なテーマでの見学プランをご提案できます。新しい伝統工芸のかたちをぜひ体験してください。

箔一本店『箔巧館』について

住所
金沢市森戸2-1-1
電話番号
076-240-8911
営業時間
ショップ:午前9:00~午後6:00
体験処:午前9:00~午後5:00(受付終了時間:午後4:00)
定休日
なし(1月1日は休み)