北陸放送「ミツケテミ!いしか輪の企業」 町家再生事業について

北陸放送の情報番組「レオスタ」にて、箔一が取り組むひがし茶屋街での町家再生事業について紹介いただきました。
放送された内容についてご覧ください。
 

<出演者>
 
北陸放送
松村玲郎アナウンサー(以下:松村)
兵藤遥陽アナウンサー(以下:兵藤)

箔一
代表取締役社長浅野達也(以下:浅野)
 
 
松村
石川を作る企業をご紹介する“ミツケテミ!いしか輪の企業”の時間です。
今日は金沢の伝統産業の一つ金箔の製造販売を手がける箔一が、最も力を入れて取り組んでいることを紹介します。金沢市のひがし茶屋街は、多くの人が訪れる代表的な観光地です。その特徴といえば古都金沢の情緒が残る、藩政時代の趣を感じる町屋の風景です。

 

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浅野
「私たちは、金箔という伝統産業を扱っています。そうした事業を営むなかで、この街に生かされていることを感じています。だからこそ、この街を大切にすることが伝統を受け継いでいくことにもつながると思ったんです」

松村
箔一では、金箔や金箔を使用した工芸品を製造販売しています。同社は、ひがし茶屋街で6棟の町屋について、復元や修復を施してきました。そこには、商売という枠を超えた浅野社長の強い思いがありました。

浅野
「金沢箔というのは、そのものだけで成り立っているわけではありません。この街の歴史と共に育まれてきた伝統文化です。だから金沢という背景と共に知ってもらうことが、とても大切だと思っています。ひがし茶屋街の風情は金沢らしい文化の象徴でもあります」
 

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松村
この6棟の中には、住宅として使用されていた建物もありました。かつて、維持費がかかる町屋から現代的な外観に建て替えがすすんでいた時期もあったのです。箔一ではそうした建物を、残された資料をひも解き、当時の姿に近づける取り組みにも挑んでいます。
東山店として使われている建物は、もともとは江戸時代から続く銭湯でした。

浅野
「歴史をさかのぼってみると、お風呂屋さんというのも花街の一つの文化であったことが分かります。だから、改装の際も、そうした風情を大切にしたいと思い、煙突の奥の方の屋根の形とか、端々にその風景を引き継いでいきました。建物を改装したとしても、昔からずっとそこにあったように見える。そういう風景を作りたいと考えてきていました」

松村
伝統工芸の金箔を守るだけでなく、町屋の再生を通じ、誇りある街並みを未来へ受け継いでいく取り組みは続きます。

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浅野
「金沢らしさとはなにか?ということを地域に暮らす私たちがしっかりと認識し、良い部分をしっかりと守っていくことが大切だと思うっています。街づくりに取り組む人たちや、行政の人たちに頼るばかりではなくて、一人ひとりが自分のできることをやるということであってほしいのです。金沢に暮らす人たちは、そうした意識が高い人ばかりですから、みんなでよい街にしていくという風になればいいと思っています」

mro

松村
浅野社長は、自分たちが「この街に住まわせてもらっている」と話されていたのが印象的でした。

兵藤
私が以前、中継でお世話になった「金澤しつらえ」は、200年もの歴史がある建物でした。そうしたものを資産として、大切に保存していることに感銘を受けました。

松村
正直に言うと、箔一さんはひがし茶屋街にいくつかお店があって、いつもにぎわっているなという印象を持っていました。ですが、その背景には地域の人たちと話し合いを重ね、街の景観を守るために、民間企業としてできることへの責任を果たしたいという想いがありました。それは、そろばん勘定を超えた、金沢の企業としての使命感ですよね。町屋の再生には、かなりの費用がかかります。だからとても強い想いがなければできないとも感じました。例えば、耐震の問題がありますよね。ひがし茶屋街の町屋は、みんな繋がっています。箔一さんが手掛けた建物は端にあることが多いのですが、端にあるということは建物を一列すべて支える強度が求められます。だから、改装のお金も高額になるらしいのですよ。そういうところまでわかっていて取り組まれているのが素晴らしいと思いました。見方が変わりましたね。僕らも何ができるかって考えてみたいですよね。

“ミツケテミ!いしか輪の企業”でした。

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