ショーウィンドウの、灯りを消さない理由。


夜の風情も、楽しんでいただくために。

金沢の風情を感じさせる代表的なスポットが、ひがし茶屋街です。私たちは、ここにいくつかのお店を構えています。
ひとつ気を付けていることがあります。それは、営業終了時間後にも、しばらく照明を灯しておくことです。



 

美しい夜の風情を、楽しんでほしい。

ひがし茶屋街は、本来は夜の街です。お座敷が開かれれば、三味線や謡が漏れ聞こえてくる風情溢れる街です。
金沢市には、今でも約40人もの芸妓がいて、お座敷の芸と文化を受け継いでいます。一方、近年は時代の流れもあり、ひがし茶屋街には昼の店が増え、多くのお店は夕方17時にもなると営業を終了してしまいます。灯りが消えると、街並みはどこか寂しいものになってしまいます。私たちは、このエリアに店を構えるものの責任として、営業終了後も照明を灯し、街の風情を守ることを心がけています。

 

ヨーロッパの街並みに、気づかされたこと。

パリのシャンゼリゼ通りなど、欧州の有名な街を歩くと、多くの店が営業終了後にも照明を消さないことに気づきます。
街並みが明るくなることで、景観が良くなるだけでなく、防犯上の効果もあるようです。
特に遠来から来られた方は、せっかく金沢に宿泊されるのであれば、茶屋街の夜の風情も楽しんでいただきたい。そう考え、世界の都市に倣って、私たちも灯りを消さないよう努力しています。

 

 

夜にこそ色気を増す、茶屋街の風情。

ひがし茶屋街の代表的な建築様式のひとつが出格子です。出格子にもいくつかの種類がありますのが、その最も特徴的なものが木虫籠(きむすこ)です。
これは、木の虫籠と表現される通り、非常に細いスリットを持つもので、繊細で色気を感じさせる美しい装飾です。この木虫籠の魅力は、夜になるとさらに美しいものになります。細いスリットから透けて見える灯りが、茶屋街の石畳に影を落とし、艶っぽい独特の風情を醸し出します。金沢に来られた際は、ぜひ、夜のひがし茶屋街の散策も楽しんでみてください。