伝統の新しい形、金箔ソフトの誕生について。

魅力あふれる街の新しい名物、金箔ソフト。

金沢は藩政期からの歴史を感じさせる風情ある街です。美しい街並みには、今も江戸期から続くいくつもの老舗が軒を連ねています。また霊峰白山から加賀平野、さらに能登半島といった風光明媚な自然も魅力です。豊富な山海の幸に恵まれ、加賀料理の伝統を受け継いだ腕利きの料理人たちは、素晴らしい美食を作り出しています。そんな金沢に伝わる、代表的な文化が工芸です。石川県は人口比での人間国宝数が日本一。作家や職人がいまも多く暮らし、伝統的な技法と様々なアイデアを結び付けて、正統派から斬新なものまで、多彩な作品を作り続けています。こうした金沢市にあって、いま新しい名物として評判を呼んでいるのが金箔ソフトです。これは、『箔一』が2015年の北陸新幹線開業の際、歓迎の想いを込めて開発した限定商品でした。その物語をご紹介します。
 

目次

始まりは、北陸新幹線開業の3日前。
金箔を食べるという、伝統文化を伝えたい。
金箔一枚を、大胆に使ったソフトクリーム。
箔をのせる瞬間の、優雅さを見ていただきたい。
伝統工芸の技が、この瞬間にも生かされています。
SNSの時代の、新しい伝統文化として。
安心安全をお届けする、食用金箔。


始まりは、北陸新幹線開業の3日前。

金箔ソフトは、北陸新幹線開業の3日前に生まれました。この時期、金沢は大きな期待感に包まれていました。新幹線の開業は、市民にとっての念願だったからです。
かつては、金沢から東京までは鉄道で4時間弱もの時間を要しました。直線距離では300km足らずながら、交通の難所が多いため、大きく迂回せざるをえないためです。また、沿線である長野や群馬へも交通の便が悪く、関東方面との交流が進まない現状がありました。これが、新幹線で結ばれることで金沢東京間が2時間半にまで短縮されます。こうした時期にあって、地元を代表する文化である金沢箔を手掛けるものとして、新幹線の開業を祝い、観光やビジネスでいらっしゃる方に歓迎の意を示したいと思っていました。
 

金箔ソフト



金箔を食べるという、伝統文化を伝えたい。

その時、考えたのが、大胆に金箔一枚を使ったソフトクリームでした。
金箔を料理に用いる伝統は、古くからあります。文献でも、奈良時代にはすでに薬用として用いられていた記録が残っています。
私たちの食用金箔は、それまでも広く使われてきましたが、これをもっと多くの人に知ってほしいと考えました。料理は、見た目でも楽しむもの。金箔をのせることで料理が華やかになり、心が弾むような喜びを感じることができます。そうした食用金箔の魅力を、広く伝えられるメニューとして考案をしたのです。
 


金箔一枚を、大胆に使ったソフトクリーム。

多くの人に楽しんでもらうには、いままでにない気軽なものにしたいと考えました。それまでは、金箔を料理に用いるのは、料亭などの高級料理店が一般的でした。また、シーンとしても、おせち料理や婚礼料理などで好まれてきました。しかしそれでは、金沢に来た人が、食用金箔に触れる機会は限定されてしまいます。私たちは、金沢に訪れる人たち、ご年配の方から子供まで、また外国からのゲストにも、わかりやすく金箔の楽しさを知ってほしいと考えました。そこで選んだのが、広く愛されるソフトクリームでした。


金箔ソフト


箔をのせる瞬間の、優雅さを見ていただきたい。

金箔ソフトの魅力は、本物の金箔の輝きを体感できることです。金箔は職人が、長い時間と手間をかけて作ったもの。本来は重く堅い「金」が、伝統の技によって、1万分の1mmにまで薄くなり、吐息でも舞うほどの繊細なものとなります。この美しさを知ってもらうために、大胆に金箔1枚を使用することにしました。その輝きによって人の心が弾み、金箔を食べることの楽しさを実感できるものにしたかったのです。また、作り方も工夫をしました。金箔を竹の箸でつまみそっと載せていく所作は、伝統工芸品を作るときと同じです。これを、カウンターの上で、お客様の目の前で行うことで、金箔の軽やかさを感じていただけます。なお、金箔ソフトを作れるのは、当社でも訓練を重ねた一部のスタッフのみです。

金箔ソフト


伝統工芸の技が、この瞬間にも生かされています。

金箔は和紙に挟まっています。金箔はあまり薄いため、手で持つことはできず、吐息でも舞ってしまうほどに繊細です。これらを扱うために考えられたのが「あかうつし」という技法です。和紙を金箔に重ねると、微弱な静電気によって接着されます。これは極めて弱い接着のため、すぐにはがせます。あかうつしは、この性質を用いて金箔を扱う伝統技法です。また、金箔は竹の箸で扱います。ここにも理由があります。竹は静電気を起こさないため、金箔を扱うのに適しているのです。箔づくりの様々な工程で竹の道具が使われていますが、箔という文字が竹冠なのも、このためでないかと言われています。

金箔ソフト


SNSの時代の、新しい伝統文化として。

金箔ソフトが大きな人気を呼んだ一つの理由がSNSです。私たちは、SNSも日本の食文化の一つととらえています。日本には、古くから見た目でも料理を楽しむ文化がありました。お皿の上に表現される四季のあしらいや、花鳥風月を模した美しい和菓子などは、日本文化の特徴です。食用の金箔も、食卓を華やがせる「見た目の調味料」として用いられてきました。こうした文化がSNSと結びつき、料理を写真に撮って、多くの人と共有して楽しむスタイルに進化しました。これもまた、新しい伝統の受け継ぎ方ではないかと思っています。


安心安全をお届けする、食用金箔。

金箔は、どうして食べられるの?そんな質問をいただくこともあります。金箔は厚生労働省が認可した食品添加物の一つです。金は何物にも溶けることがありませんので、食べても身体に吸収されず素通りしていきます。また、箔一では、現代の食品業界の規準に合わせ、HACCPやISO22000といった厳しい衛生基準を満たした専門の工場を持っています。こうして、ご年配の方から、お子様まで、安心して口にできる金箔をお届けしています。

金箔ソフト

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