新社屋のお祝いとして、箔一の加山又造パネル

新社屋の象徴として輝く千羽鶴

箔一では、戦後日本を代表する加山又造氏の図柄を用いた様々な工芸品を提案しています。加山又造氏は日本画の歴史を研究し、その技法に精通していました。琳派などの伝統的な画風を取り入れながらもオリジナルのスタイルを確立し、歴史に名を画家となりました。かつて箔は背景や装飾として用いることが多くありましたが、これを主題を表現するものとして使うなど、氏の意欲的な作品は、箔の美術史の中でも大変に重要なものであると考えています。

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加山又造作品の取り組みについて

加山又造
加山又造

印象的で、躍動感を感じる図柄

加山又造氏の作品の魅力は、唯一無二のものと言えます。伝統的でありながらモダンさがあり、シンプルで抽象的ながら、動物たちが絵から飛び出してくるかのような、生き生きとした描写力を感じさせます。

加山又造

職人の手で描かれた、精密な作品

今回は、愛知県の(株)シーテック様の本店大高ビルの竣工に伴って、エントランスに飾るためのパネルとして制作いたしました。通常は900×1500㎜のサイズですが、エントランスのスペースに合わせて、1800×2500㎟の特注サイズとなりました。縦横の比率が違うため、原画通りに描くとあわない部分が出てきます。これを職人が手作業で補完することで完成させています。こうしたアレンジを加えても全く違和感のない絵柄に仕上がっているのは、図柄をコピーするだけのレプリカではなく、加山又造氏の作品研究を通じて、「本物をもう一度作る」ことを目指して意欲的な創作を行ってきたことの成果です。

加山又造

あらゆる苦難を乗り越る力強い姿を

この千羽鶴のオリジナルの一つは、東京証券取引所の特別応接室に飾られています。上場を果たす企業は、その式典の際にこの絵の前で東証の役員と面談するそうです。いくつもの困難を超えて力強く羽ばたいていく鶴の姿を、上場する企業と重ね合わせていると言われています。

加山又造

約300社からなる協力会からのお祝いとして

今回は、約300社からなる協力会からのお祝いということで承り、大切に納品をさせていただきました。企業の新しいスタートを祝うのにふさわしい、心のこもったお祝いになったものと思います。この作品は、エントランスのみならず、向かいの道路で信号待ちをしている車からも眺められるそうです。広く地域の方々の目を楽しませるものとなっていけば、箔一としても喜ばしい限りです。