自動車
建築装飾の実績紹介

LEXUS|トヨタ自動車

フラッグシップモデルに採用された、プラチナ箔。

2020年11月19日に発売されたトヨタ自動車のLEXUS『LS』の内装に、箔一のプラチナ箔が採用されました。私たちはこれまでも公共交通機関や豪華客船などに箔装飾を施してきましたが、自動車の内装として採用されたのは初めてです。これは世界でも初の試みとなりました。『LS』は、LEXUSブランドのフラッグシップとして位置づけられるセダンです。原点であり、その思想を代表する存在です。世界90か国以上で発売され、高い評価を得ている最高級の自動車に、金沢の伝統工芸が採用されたことは大変に光栄なことです。


トヨタ自動車LEXUS新型LSプラチナ箔装飾の実績

優雅な風情を生み出す、手仕事の内装。

一つずつ職人が手作りしたプラチナ箔。金沢箔らしい柔らかな質感に優雅さを感じさせます。箔を四角く揃えるのも手作業のため、整然と並んだ箔の模様にも微妙な揺らぎがあり、伝統の金屏風のような風情をもたらしています。

トヨタ自動車LEXUS新型LSプラチナ箔装飾の実績

あらゆる環境にも耐えうる品質をクリア。

自動車の内装には、安全性の観点から、厳しい品質基準が求められます。また世界中で販売される車種のため、砂漠地帯、寒冷地、熱帯雨林地帯など、あらゆる環境下での耐久テストを行った上で搭載をされています。

トヨタ自動車LEXUS新型LSプラチナ箔装飾の実績

工芸品の曖昧さと、工業製品の緻密さが共存する。

工業製品には、厳密な均一性が求められます。特にトヨタ自動車の基準は世界で最も厳しいといわれており、品質のブレのなさは日本のものづくりの水準の高さの象徴でもあります。一方、手作りの工芸品には曖昧さがあります。偶然性が生む微妙なゆらぎは、手仕事ならではの魅力です。厳密さと曖昧さ。この二つの全く違う性質を融合させるために、今回、極めて厳密な管理を行いました。熟練の職人が経験と勘でこなしていく作業も、細かく分解し、測定して数値化します。その数値を厳密にコントロールすることで、手仕事ならではの曖昧さを残しながら、工業製品に搭載できる均一性を実現しました。
 

トヨタ自動車LEXUS新型LSプラチナ箔装飾の実績
トヨタ自動車LEXUS新型LSプラチナ箔装飾の実績

コンセプトでもある「月の道」を表現。

今回の『LS』は「月の道」がコンセプトとして掲げられています。これは、満月の前後の数日間だけ見ることができる神秘的な景色のこと。海の上に、月に向かって一本の光の道が浮かび上がる現象です。この雄大でありながら儚い景色を、日本の伝統工芸であるプラチナ箔にて表現をしました。このプラチナ箔が搭載された『LS』は高い性能を誇る精密な工業製品でありながら、日本人らしい美意識をも表現した美しい自動車として、世界中で好評を博しています。