1200年の伝統ある高野山の宿坊「恵光院」に金沢箔のアートによる新しい瞑想空間が誕生

1200年の伝統ある高野山の宿坊「恵光院」に金沢箔のアートによる新しい瞑想空間が誕生

アートが設置された特別室「月輪(がちりん)」3月より宿泊予約を開始

株式会社箔一では、デザインエンジニアリングスタジオTANGENT(London,England 代表 吉本 英樹)と協業し、高野山の宿坊「恵光院」の壁面アート「月輪(がちりん)」への箔施工を行いました。

宿坊で体感する、仏教の精神世界

仏教の聖地のひとつである高野山。ここは弘法大師・空海によっておよそ1200年前に開かれ、いまも真言宗の本山として人々の信仰を集めています。修行僧たちは、人郷離れた静かな土地で、煩悩を捨て悟りを開くために仏の教えを学んでいます。
参拝に訪れた人々に癒しを提供する宿泊施設が「宿坊」です。なかでも「恵光院」は高野山で1200年もの歴史を持つ宿坊であり、旅装を解いてくつろげるだけでなく、瞑想や写経などの修行体験によって仏の教えを体感することもできます。今回、特別室をしつらえるのにあたり、英国と日本を拠点とするデザインエンジニアリングスタジオ「TANGENT」による壁面アートが制作されることとなり、その金箔施工を「箔一」にて行いました。

(写真左)高野山 奥之院(写真提供:公益社団法人 和歌山県観光連盟)(写真右)宿坊「恵光院」(写真提供:恵光院)

高野山 奥之院
TANGENT代表 吉本 英樹氏

気鋭のデザインエンジニアが手掛ける瞑想空間

今回の作品を手掛けたTANGENT代表の吉本 英樹氏は、東京大学で航空宇宙工学を学んだあと、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでデザインを学んだ気鋭のデザインエンジニアです。第一回Lexus Design Awardなど、数多くの世界的なアワードを受賞し、世界有数のラグジュアリーブランドと組んだアートプロジェクトも手掛けています。
吉本氏と箔一は、2021年より東京大学先端科学技術研究センターと石川県による共同プロジェクトに取り組んできました。そのなかで当社の寺社仏閣や商業建築における実績や金沢箔のもつ装飾性・デザイン性について、吉本氏が強く関心を持ったことから、今回のプロジェクトを箔一とともに手掛けることになりました。

真言密教の瞑想法に着想を得たアート

吉本氏によって生み出されたこのアート作品は「月輪(がちりん)」と名付けられました。高野山真言密教には「月輪観(がちりんかん)」と呼ばれる瞑想法があります。月の輪に見立てた真円を見つめ、その月輪を自己の心の中に映し、さらに自己の身体全体、その部屋全体へと月輪の心像を広げ、最終的には全宇宙にまで広げていく瞑想法です。この作品は月輪観に着想を得ています。真円から湧き上がる金箔の渦が壁面いっぱいに広がり、さらに別の次元の宇宙にワープし広がっていくかのような景色を表しています。真円には光源が設置され、周囲に向かって光が放たれます。宿坊恵光院の名前に因み、また真言密教の教主である大日如来を尊び、光によって金箔を浮かび上がらせるような表現となっています。

ニュースリリースの詳細はこちらからご覧ください。