2012年4月15日

企業にも「躾の教育者」が大切

カテゴリ

私のOL時代に、長く勤めている40代後半の女性社員がいらっしゃいました。

 

口うるさく、いつもいやみとも取れる言葉で、特に入社3年までぐらいの新人の女子社員に厳しい方でした。

 

「箸の上げ下ろし」「歩く時スリッパを引きずるな」「化粧が濃い」「スカートの丈が短い」「お辞儀の角度」「お茶の程よい熱さや、濃さ、出し方」「挨拶の声が小さい」「音を立てて食べ物を食べてはいけない」などとても細かい指導でした。

 

完全な小姑の存在で社内では「局」とあだ名をつけられていた程です。

その「局」の言葉の中に「家でどんな躾を両親がしているのか。親の顔が見たい」というのが決め台詞でした。今の時代ではパワハラとなり、ありえないことです。親の事を指摘されることは1番の恥なので、叱られないように気配りと自分を律していたものでした。

 

しかし、当たり前の指摘なのに煙たがられるのは、自分が出来てない当たり前の事を、他人から指摘されることに不快感を感じているだけなのです。

 

考 えてみれば、仕事には全く関係ないことばかり、1日中誰かが叱られていました。新人は、本来家庭教育の中でマナーを身につけて、入社してこなくてはいけま せん。しかしそれが出来ていない新人が多く「局」の恒例化した躾に耐えた人が、結果的に会社にとって大いに役立ち、仕事と共に成長し会社の要になっていき ました。

 

現在は、新人教育において、躾や礼儀作法の通り一遍の事を、さも難しく専門業者を雇ってマナー研修をしているところが多いと聞きます。それは、社内教育者で悪役をかって出てくれる人がいなくなり、仲間化した事と、仕事以外は他人事になってしまっているからではないでしょうか。

 

ちなみにこの「局」の職種は、当時電話交換手で教育をする役割の部門ではありませんでした。本来は他部署ですので、他人事のはずなのです。

 

今から思うと経営者になった私が、仕事以外で自発的に「躾の教育者」を待ち望んでいるのは、当時「局」の教育は、親の教育と同じぐらい企業にとっても大切な事で基本だったからです。それが社風となり、いい人材がいい後輩を育て上げていくのです。

 

経営者が指導する事は仕事を推進する上で当たり前の事ですが、仲間や先輩からの指摘は「社風」となって継続されていくのです。