



一片の輝きが、生まれるまで
金箔はおよそ1万分の1~2mmの薄さです。それは約2g(10円玉の約半分)の金を、畳一枚分の極限にまで延ばした薄さです。
極限の薄さまで延ばすには、卓越された職人技と、金箔づくりを左右すると言われる紙仕込み、金箔づくりに適した気候などあらゆる要素が必要とされています。
加賀百万石の時代から400年もの時を超え、金沢の地に継承されてきた、金箔づくりをご紹介いたします。

金合わせ
まずは、金に微量の銀、銅を溶かし合わせます。99.99%の金は柔らかすぎ、箔になりにくいため、また色合いを調整するために加えます。
金と、銀、銅を1300度に熱したるつぼに入れ、溶解させたあと、型に流して成形します。

延金
合金したものを、圧延機で帯状に延ばします。20回ほど繰り返し、100分の2~3ミリまで薄くします。これを約6cm角に切ります。
これを「小兵(こっぺ)」と呼びます。

澄打ち
小兵を、さらに薄くなるように紙いっぱいに打ち延ばします。12cm角まで打ち延ばしたものを「荒金(あらがね)」と言います。「荒金」を4分の1の大きさに切り、約20cmの大きさまで引き延ばします。これが「小重(こじゅう)」です。この小重を、4分の1の大きさに切り、さらに引き延ばしたのが「大重(おおじゅう)」です。これを仕上げ用の紙に挟み仕上げたものが「上澄(うわずみ)」です。この時点で1000分の3ミリになります。

引き入れ
ここから、1000分の3ミリの薄さの上澄を、10000分の1ミリ〜2ミリの薄さに仕上げていきます。上澄を12枚ほどの大きさに切ります。これを「小間」といいます。この小間を、一枚一枚、箔打ち用の紙に挟む作業が引き入れです。

打ち前
箔打ち用の紙に重ねた澄を、当皮などで固定し、箔打ち用の機械で打ちます。打ち上がったら、紙の仕込みを終えた、主紙に移し替えて、さらに10000分の1ミリの薄さまで広げます。
<紙仕込み>金箔作りに欠かせないものが、箔をたたく際に箔の間に挟む和紙です。この和紙の仕上がりが金箔の質を決めるというくらい重要になります。和紙を卵や柿渋・灰を燃やした汁に浸し、たたいても破れにくく仕上げます。

抜き仕事
打ち上がった金箔を、品質を確認しながら、それぞれ広物帳(ひろものちょう)に移します。使う道具は、静電気が起きにくい竹箸と、天狗爪です。10000分の1ミリという非常に薄い金箔を扱うので、少しの風や静電気でも破れたりするほどの繊細な作業です。

箔移し
最後の工程で、広物帳に移した箔を切りそろえます。金箔には10.9cm角、12.7cm角、15.8cm角、21.2cm角の4 種類のサイズがあります。箔を切りそろえるのは竹製の枠です。皮板を左手に持ち、広物帳から竹箸で金箔を移します。移した金箔は枠で上下、左右を切ります。切り終えた箔は切紙にのせて終了です。
完成された金箔の行方

多くの時間と、職人の手間をかけ、仕上げられた金箔は、様々なものにかたちを変え、みなさまのお手元に届けられます。
それは漆器や陶器などの工芸品だけではなく、金箔の化粧品や、お菓子や料理に使われるトッピングなど日常のあらゆるものに使われています。
悠久の歴史の中で人々を魅了してきた金箔の伝統美は、現代では日常のあらゆる場面に登場し、身近に感じられるようになってきています。











