今回は、逆転の発想の3つめのお話をさせていただきたいと思います。
変色箔でオリジナル性の面白さをセールストークに販売し、売上げを確保していた頃、デパートではギフト商品として、同じ柄の銘々皿や茶托など5点セットの販売が主となってきました。
変色箔は金属の変色する特性を活かしているため、同じ模様に出来ません。オリジナル性を求めるお客様と、均一な同じ模様の商品を求めるお客様に2分されてきました。おりしもデパート問屋との取引も始まりギフトの注文が急速に伸び商品製作に追われる毎日でした。
社員も10名ほどになっていましたが、両方のお客様を得るためには薄い箔を手貼りで生産していては追いつかず、何かオリジナルでかつ模様が均一で、手貼りより少々早く製作できる技術を開発しなくてはなりません。
そこで、均一な金箔紋様商品を製作するため、金箔に特殊印刷をする事を思いつきました。金箔に特殊印刷するには金箔の台紙を作らなくてはならず、表は金 箔、裏面には接着剤を塗り特殊な紙を作りました。ただ、この紙は硬く印刷機に掛からずどこも取り合ってはくれませんでした。
やっと1件の印刷会社が引き受けてくださいましたが表面の金箔がはがれ苦心惨憺です。
試行錯誤を繰り返し、金箔の上に美しく特殊印刷で仕上げ、裏面の接着剤は水の中で溶かし商品に貼り付ける「水押し金箔紙」が完成しました。このオリジナル 商品は、変色箔の商品とは違い安定的な生産ができたので、納期の確約が出来、ギフトとして全国のデパートに取り上げていただけました。
昭和62年の頃でした。
繊細な金箔の台紙に印刷をして、その台紙に接着剤を施し水の中ではがし、それを貼り付けるなど素人ゆえの苦肉の策から生まれた発想でした。












